2017-12-06 第195回国会 参議院 憲法審査会 第1号
日本国憲法は、全ての価値の根源は個人の尊厳にあるという思想を基礎に、多面的で豊かな基本的人権とその永久不可侵性を保障するとともに、自由と権利、平等を国家権力の濫用から守るために国民主権を確立し、権力分立と地方自治を定め、憲法の最高規範性を厳格に定めました。
日本国憲法は、全ての価値の根源は個人の尊厳にあるという思想を基礎に、多面的で豊かな基本的人権とその永久不可侵性を保障するとともに、自由と権利、平等を国家権力の濫用から守るために国民主権を確立し、権力分立と地方自治を定め、憲法の最高規範性を厳格に定めました。
これに対して日本側は、さすがに「積年ノ闘争ノ結果」だとか「時ト経験ノ坩堝」だとかいう表現は、およそ我が国の法文の体をなさないとして、その表現を修正した上で、現在の第十一条に後段として、その趣旨である人権の永久不可侵性という部分だけを規定することにしたというのであります。
冒頭の九十七条で、基本的人権の永久不可侵性を宣言したことは、最高法規としての日本国憲法の本質が人権保障にこそあることを明確に示すものです。もとは第三章にあった条項を憲法の制定過程で第十章の冒頭に置いたのもそのためです。 この九十七条では、基本的人権が人類の多年にわたる自由獲得の成果であり、過去幾多の試練に耐えてきたことに言及して、その歴史的由来も明らかにしています。
さらに、第十章最高法規の九十七条で重ねて基本的人権の永久不可侵性を規定したことは、憲法が人権保障を最も重視していることを示すものです。 この憲法の原則に照らして、現実がどうなっているのか、具体的な問題で幾つか述べます。 まず、東日本大震災、東京電力福島原発事故の問題です。 あれから三年目に入った今日なお、約三十二万人もの方々が厳しい避難生活を強いられています。
、こう人権の永久不可侵性をうたったことは、憲法の最高法規性が人権保障に実質的な根拠を有するものであることを確認したものにほかなりません。また、九十九条が、天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員の憲法尊重擁護義務を定め、国民について触れていないのは、こうした歴史の発展に基づく憲法の性格を踏まえているからだと思います。
そして、日本国憲法は、「最高法規」の章に人権の永久不可侵性をうたった第九十七条を置いていることから、憲法の最高法規性が人権保障という点に実質的な根拠を有していると考えられております。
私は、前回の調査会において、人権保障の永久不可侵性について意見を述べさせていただきました。 我が国の違憲審査制は、第二次大戦後、この人権保障の永久不可侵性を中核とした憲法の最高法規性の維持、すなわち憲法保障のために導入されたものであり、世界各国においてこのような動きが共通をしております。
人権相互間の矛盾、衝突を調整するために、公共の福祉の名で人権を法律で制限せざるを得ない場合でも、人権の永久不可侵性原則から極めて慎重な取り扱いが求められます。